宮の名所「臥龍桜の歴史」
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臥龍桜最古の歴史
1100年もの間、臥龍桜はいろいろな世の中の移り変わりを見てきました。
天正年間(1573年~1592年)には、この地を治めていた、三木國綱三澤が、金森長近との戦いに敗れ大桜の根元に葬られたと伝えられています。
今日も根元に五輪塔が、柵の外右側に三木家の祖霊社が祀られています。
また毎年秋には、飛騨一宮水無神社の神主さんと大幢寺の和尚さん、三木家縁の人たちが30人ほど集まり、「三木祭り」といって祖先を供養しています。
この桜が初めてこの地に根付き、どのようにして育ってきたかを裏付ける資料は残っていませんが、江戸時代(元禄年間1680年)には、全国を行脚した旅の僧「円空」が、この桜を見て詠んだとされる歌が残されています。
※円空さんの歌
「一の宮 神の御舟は はるはると 花の盛りも 長くさくらん」
「音に聞く 位の山の 榊はハ 手にとる度に 花かとぞ思ふ」
臥龍桜の生命
臥龍桜の特徴は、一本の大枝が重みで地面に着き、そこから発根して独立しており、まさに、龍が臥せたような樹形をしています。
樹種は、エドヒガン桜で、幹の目通りは、周囲7.3m、枝の差し渡しは東西20m、南北30mに達します。
名付け親
この桜は、大幢寺境内にあって以前は「大幢寺の大桜」と称していました。
しかし、昭和7年の春、満開の花の咲く5月4日、みんなで花見をしていた時、「今までは、大幢寺の大桜と呼んでいたが、よい名を付けてください」とう村民らの願いを聞いた大幢寺第20世の亀山道仙和尚は、当時まだ二体がつながり、まさに龍が体をくねらせるように大枝が横に伸びた樹形を見て、しばし考えた後「臥龍桜でどうだ!」と叫んだと書き残されています。
以来「臥龍桜」と呼ぶようになりました。
臥龍桜枯死の危機
平成元年には、臥龍桜周辺を整備して「臥龍公園」としました。
それまでは、一面田んぼであり、カエルが鳴き、蛍が飛び、蛇の遊び場でもあり、素朴な風景でありました。
平成3年、臥龍桜の樹勢が衰え、さらにその年の9月に台風の被害を受け、大きな枝が4本折れたり幹が避けるなどして、瀕死の重傷を負いました。
その後、3年間をかけて、樹木の外科手術を行い、支柱を立てて枝を支えるなどの保護処置が行われました。
また、衰弱の原因が根にあることが分かり、平成9年からは桜の周辺の悪質土を取り除いて、水はけのよい土に炭や細かく切ったヨシを混ぜて土壌改良を行い、根を活性化させてきました。
樹勢の回復、雄大な臥龍桜へ
平成11年頃から臥龍桜は、徐々に元気を取り戻し開花状況がよくなり、見違えるように多くの花をつけてくれました。
平成13年の根の発育状況調査では、土の下に白い毛根が2m近くも無数に伸びており、立ち会った人の話では「この巨樹の根がこうも一生懸命生きていこうとしている姿に触れて、感動のあまり声もなく涙があふれ出た」と言っております。
現在では樹勢が回復し、枝が伸びて昔のように力強い桜に戻ってきています。
龍のごとく雄大な姿を見せ、悠久の時の流れを物語る臥龍桜は、毎年美しく見事な花を咲かせています。
「臥龍桜を守り、育てる」
岐阜大学名誉教授 林 進
台風被害からの「復活は不可能」といわれた。
しかし、私は臥龍桜の復活を信じて、あらゆる手段を講じた。「千年の生命」への確信が、私の心底にあった。
桜も「生き物」である。人との共感がある。桜の生きようとする力を引出、そこに手を添える。
時間をかけて桜と語り合いながら、復活への道をたどってきた。
桜には「魂」があると私は、確信してきた。
そして、臥龍桜の復活を念じ、再生を疑わなかった村人がいた。
どんな技術があっても、心がこもっていなければ木は答えてくれない。こもや縄を持ち寄って協力してくれた人たち。
桜の姿に涙していた人たち。この桜に勇気づけられ、生きぬく力を与えられた人たち。
すべての人たちが、臥龍を復活させた。
駅から見える桜
臥龍桜は飛騨一ノ宮駅から徒歩一分と近く、JR高山本線の車窓からも見ることができます。
冬の桜
臥龍桜復興記 |
掲載内容
昔より「大幢寺の大桜」として親しまれ、昭和6・7年高山線工事中の頃第二十代大喝道仙和尚が、龍が臥した姿から「臥龍桜」と命名した。
当時、桜の周囲は田んぼに囲まれていた。
昭和12年 県指定文化財
昭和48年 国指定文化財
昭和34年 9月26日 伊勢湾台風により、中心部の大切な枝が折れ被害甚大
平成元年 立村百年事業にて臥龍公園整備
平成3年 9月26日 台風19号により、大きな枝4本他が折れるなど大きな被害を受けた。以来、樹勢回復、樹根復活改善事業に約20年間にわたり取組み、樹勢を取戻した
品種 エドヒガン
樹齢 1,100年
樹高 20m
枝張り 南北38m
根回り 8.4m
胸高径 7.6m
平成25年 絵 山腰 曠
臥龍桜情報 |
- 住所:高山市一之宮町275-1(臥龍公園内)
- 品種:エドヒガンザクラ(1本)
- 樹齢:1,100年
- サイズ:高さ20m 枝張り30m 幹回り7.3m
- 咲き始め:4月中旬から4月下旬
- 見頃:4月中旬から4月下旬
- 入園料:無料
- 駐車場:250台
- 夜桜見物:ライトアップなし(ただし園内にぼんぼりを灯す)
- 交通案内:JR高山本線、飛騨一ノ宮駅下車 徒歩1分、高山ICから約12㎞、20分
- 問い合せ:飛騨一之宮観光協会:TEL/0577-53-2149 高山市一之宮支所:TEL/0577-53-2211
お願い
- ①臥龍桜の周囲の柵内は立ち入り禁止です。また、 臥龍公園内は火気厳禁です。
- ②園内では桜の保護・育成並びに運営管理のために、ご来場いただいたお客様に募金をお願いしています。ご理解いただきますよう宜しくお願い致します。
- ③身障者等歩行困難の方 臥龍公園内まで車にて入場ください(ただし、駐車場係員より通行許可書を受け取ってください)
- ④駐車場は無料ですが、駐車場係員(9:00~16:00)の指示に従ってください
- ⑤臥龍公園内は禁煙です。またゴミの持ち帰りにご協力ください。
- ⑥お手洗いは公園内にあります
- 住所:高山市一之宮町5323
- 電話番号:0577-53-2001
- 営業時間:8:00~16:30
- 公式サイト:http://minashijinjya.or.jp/
桜まつり(毎年4月中旬から) |
毎年4月中旬から約3週間、臥龍公園にて「桜まつり」が開催されます。
会場では、位山の水で仕込んだ限定のお酒「清酒臥龍桜」やお土産・特産品の販売、公園すぐ横には屋台村が設置され、お食事をしながらお花見を楽しむことができます。
夜になると、臥龍桜のライトアップはありませんが、公園内のぼんぼりで一味違う夜桜が浮かび上がります。
また、期間中には臥龍桜横の大憧寺の本堂にて、一之宮町在住の画家、山腰 昿氏・澤田 勇氏の絵画展が開催されます。
屋台村
手打ちそば・中華そば・うどん・みだらしだんご・串焼きなど公園内でのお花見にご利用ください。
大幢寺の本堂 絵画展
一之宮町在住の画家、山腰昿氏・澤田勇氏の絵画展(四季の臥龍桜などが描かれてています)が開催されています。
是非ご覧ください。入場は無料となっています。
清酒臥龍桜
位山の水で仕込んだお酒、限定2000本限りのお酒です。
「臥龍桜日本画大賞展」の審査員を務める画家が、毎年このお酒のラベルのためだけに絵を描きおろし販売されています。
周辺スポット |
飛騨一宮水無神社
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